水俣自然農園

熊本県水俣市にて柑橘をメインにお米やお野菜を自然農で栽培しています。このブログでは、農園のこと、暮らしのこと、園主の想いなどを綴っていけたらなと思っています。宜しくお願い致します。

自然農について

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今日はアジア学院の学生の皆さんが水俣自然農園の自給用田畑に見学に来られました。

私は普段、自然農のことを誰かに直接お話しする機会が無いので、しどろもどろで、ちゃんと皆さんに伝わったか不安だったのですが、私自身も良い学びとなりました。

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ここで自然農について、自分なりの言葉で伝えられるよう、改めてまとめておこうと思います。

 

「自然農とは」

 

耕さず、肥料農薬を用いず、草や虫を敵としない、自然の営みに沿い、応じ、従い、任せる農のあり方です。

 

何故耕さないのかというと、自然界はどこも耕されておらず、耕されずに豊かになった自然界に私たちは生かされているからです。

耕さない方がいのちの舞台が豊かになります。

 

また肥料農薬を用いず、草や虫を敵にしないのは、草や虫も全てが一体の営みをしており、自然界を豊かにしている存在という認識からです。

作物、草、虫、小動物、微生物など、全てが生きるに欠かせない存在です。

 

耕すと土の中の有機物がいっきに分解され、始めは養分が増えますが、生命の営みが断たれますので、土は硬く締まり、痩せてしまいます。なので、一度耕すと次に栽培する時に養分を外から持ち込まなければならなくなります。

耕さなければ、小動物や微生物、草の活動が盛んになり、食べては出して食べては出して、生まれては死んで生まれては死んで、、、その亡骸や排泄物で、いのちの舞台は豊かになっていきます。過去の豊穣の舞台で今を生きる動植物微生物、そして私たちです。

 

自然界は一体の営みをしており、常に調和を保っているので農薬も必要ありません。虫喰いが多くなったり、病気が出るのは、作物が健康で無い場合が殆どです。

作物が適期適作、適地適作で、養分過多や養分不足になっていなければ、病害虫に侵されることなく、健康に育ってくれます。

上手く育たないのはこちらの手の貸し方に問題があり、常にこちら側の問い直しが必要となります。こちらが余計なことせず、的確に手を貸す事が出来れば作物は一体の営みの中で見事に育ってくれます。

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「自然農の収量について」

自然農で的確に育てた作物は、自然界にとっても人間にとっても多くもなく少なくもない収量が得られます。

自然農の収穫量は、慣行栽培や有機栽培と比べると質量的には少ないかも知れません。しかし沢山のいのちの営みの中で育った自然農の作物は確実にいのちが詰まっており、奥深く、豊かです。食味を超えたところでもそれを実感する事ができます。そして私たちの心身を充分に養ってくれます。

 

 

自然農では大型機械やビニールマルチなども使わないので、作付面積に限りがあります。

自然の理の中では、人間が作業できる量には限りがあり、その限られた中での作物栽培になります。それは自然の営みを壊さない、調和のとれた一体の営みをするにはとても大切な事です。人間だけが栄える事のない自然界です。

 

大型機械やビニールマルチを使うと一見効率的に見えますが、その裏には膨大なエネルギー資源が使われていて、10のエネルギーを投入して1のエネルギーを得るとも言われています。

 

自然農の田畑で作業をしていると、自分も自然の一部であり、一体の営みているのだと感じる事ができます。心が安らぎ、大安心の中で、とても豊かな気持ちになります。 

 

私たちはどこに生かされているのか

私たちはどこに生きていけば良いのか

私たちはどれだけの事をすればよいのか

本当の豊かさはどこにあるのか

 

それらの答えを自然農を実践する中で日々学ばされています。

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